この公衆トイレは2019年に開催された「那覇市新都心公園水のみち「待ち合わせのある風景」トイレ・ベンチ デザインコンペティション」にて最優秀案に選ばれ実施された建築である。
水のみちゾーンに設置されることから、水の流れや渦をモチーフとし、既存の樹木を避けた自然なかたちとなるプランになっている。
各トイレは、厚さ6mmの鉄板を曲げ加工して作られており、ブースというより一つの個室となっている。
そして各トイレは分散して配置され、地面から一段上がった開放的な通路が男・女・多目的トイレそれぞれを緩やかに繋げている。
この通路は周囲との高低差による視線のずれ、そして既存樹木や植栽がフィルターとなり開放性とプライバシーの中間領域となっている。
この個室を分散配置し開放通路でつなげる形式は、トイレにまつわるジェンダーやバリアフリーについての空間的な一つのあり方になればと考えた。
また、トイレの側には同じく水の流れや渦をモチーフとしたベンチとテーブルを設け、既存の樹木による木陰で待合いすることができるようになっている。